2014年3月31日月曜日

明治大学 前野寛幸


「インターンシップを通じて感じた日本の社会問題と、
それを解決するために学生時代に何ができるか」


 私はこのインターンシップの中で、議会や委員会の傍聴、事務所での作業、自民党での靖国神社参拝、駅頭での新聞配布、豊島区の母子家庭支援に関する勉強会、盆踊りやお神輿担ぎのお手伝いなどと、デスクワークからフィールドワークまで、幅広い分野の活動を体験させていただいた。そして、その活動の中で思った日本における社会問題が3つある。

 1つは、駅頭での新聞配布を通じて感じた若者の政治に対する無関心である。私たちインターン生は4日間、豊島区議会議員本橋ひろたか先生の事務所から近い2つの駅で、朝、通勤者の多い時間帯に自民党豊島区議団ニュースという会派の新聞を配布していた。これは、区議会で行われていることを区民に広く周知させるためである。新聞は4日間で700枚以上を配った。しかし、その受け取った人の中に占める若者の割合は、ゼロではなかったがかなり低かった。このように若者があまり新聞を受け取らない理由は、多くの若者が「自分には関係のないことだ」と思ってしまうからではないだろうか。しかし、自分の住んでいる町のことなのだから決して他人事ではない。また、1人の有権者として、区民の代表が議会の場でどのような活動を行っているのかを知るということは、有効な1票を投じるためのとても大事なことである。
 

 自分の町でどのような政治が行われているかを知ることができる機会は多くないと思うので、若者にも有権者としての自覚を持ち、積極的に新聞を受け取って欲しかったと思う。

 次の問題は、豊島区の母子家庭支援に関する勉強会を通じて感じた、個人の孤立である。勉強会の際に豊島区の子育て支援課のお二人からお話を伺ったのだが、最近は、マンションにオートロックがかかっていて、なかなか家に入って子育ての様子を確認することができないため、各家庭に赴いて子育ての相談を受けたり、早期に虐待を発見し予防したりすることがし辛くなっていると仰っていた。これは、プライバシーが強く主張されるようになった現代社会が抱えるジレンマであると思う。個人の自由を尊重しすぎるがゆえに、かえって個人が孤立していく。これは何も子育てに限った話ではない。老人の孤独死もそうである。また、人々が自分の部屋にこもってパソコンや携帯などをいじり続けるようになっているため、面と向かってのコミュニケーションが減りつつあり、その結果コミュニケーションを取ることが苦手となってしまういわゆる「コミュ障(コミュニケーション障害)」が話題となっている。

情報化社会となった今日では個人情報が瞬く間に世界中に拡散されうるので、それを保護しようとするのは当然である。しかしながら、それがかえって「個」を「孤」にしてしまっている。個人を保護するためのプライバシーがかえって個人を潰してしまうという本末転倒な事態となってしまっているのだ。個人情報を保護するな、などと言うことはできないが、個人情報の保護の在り方についてはもっと深く議論されるべきだ。いかにして個人を守りつつ孤立させないか、そういったことを考えなくてはいけないように思う。

最後の問題は、盆踊りや神輿担ぎの手伝いを通じて感じた、地域のつながりの狭さである。私がお世話になっていた本橋弘隆議員は地方議員であるため、地域密着型の活動は必要不可欠である。その一環として、盆踊りやお祭りを手伝ったのである。ここで、地域の方々と協力して盆踊りとお祭りの準備をしていたのだが、そこに参加する方々は中年から高齢者の方が多く、しかもメンバーが固定されていた。このようなコミュニティの縮小化・高齢化というのも先に挙げた孤立化の影響を少なからず受けているように思う。現代社会では地域住民同士のつながりが希薄になっているというのはよく言われることだ。特にマンションでは、隣に住んでいる人の名前も顔もわからないということはよくあることだといわれている。

このように、隣に住んでいるのに名前も顔も知らないというのは淋しいことだ。もっと地域付きあいが大事にされるようになって欲しいと思う。

それでは、このような問題を解決するために我々学生には何ができるのだろうか。

若者の政治無関心に関しては、同年代の我々がツイッターなどで政治的な意見を言うことが打開策になると思う。最近はほとんどの人がツイッターをしているので、そういった政治に無関心な人も、政治に関するツイートなどを嫌でも目にすることになる。最初は興味がなくても、同年代の人が選挙などの度、政治に関するツイートをしていれば、それに触発され興味を持ってくれると思う。

現在の情報化社会をうまく利用することで、新しい物好きな若者を取り込むことができると思うから、ツイッターなどのSNSで自分の考えを発信することはとても有用であると考える。なので、自分も興味を持ったことは積極的に発信していこうと思う。

個人の孤立化・コミュニティの縮小化に対しては、挨拶をすることが一番だと思う。どんなコミュニケーションも最初は挨拶から始まる。挨拶をするようになれば、そこからさらに中も深まっていくことになると思う。

我々学生にはそんなに大きなことは出来ない。しかし、出来ることは少なからずある。それに、学生だからこそ出来ることだってある。日本で起きている問題は他人事ではない。自分の国で起こっている問題だ。だからこそ、「自分には関係ない。誰かが何とかしてくれるだろう」という意識ではなく、自分に出来ることは何かを考え、積極的に実践していきたいと思う。

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